2021年07月12日「改めて考えたい実験動物という存在」
「改めて考えたい実験動物という存在」
皆さんは“実験動物”と聞くとどんな印象をお持ちになるでしょうか?
「可愛そう」
「命あるものに対してひどい扱いをしている」
「動物愛護・倫理に反している」
など、さまざまな批判的な意見が多くを占めているのではないかと思います。
このような意見は至極真っ当なもので、間違っているとは思いません。
ただ、それでも改めて実験動物の存在について考えてもらいたいのです。
例えば、時々飲むであろう風邪薬や、普段服用している血圧の薬(降圧薬)、目薬などは、開発段階でどれも実験動物の協力あってのものなのです。
初めて販売されるお薬は、人体にどのような副作用を引き起こすか分からないことが多いとされます。
副作用の可能性がどの程度起こり得るのか?
起こったとしたらどんな影響が見られるのか?
などを市販されて多くの人が使う前に、少しでも知っておくべく人に近いとされる動物たちで効果を確認しているのです。
マウスやラット、ウサギやイヌ、サルなどは実験動物として今まで多く選ばれてきた動物種です。
ただし時代は変わり、このような実験動物に対する愛護や倫理からできるだけその数を減らすよう努力することが命じられるようになりました。
もちろん、命あるものを大切にしようとする姿勢は大切です。
今すぐには難しくても、遺伝子解析やロボットの使用などで、実験動物なくとも事前に安全性が明らかになる、そんな時代を心待ちにしたいものです。