2020年11月06日「ペットの安楽死について、もう一度考えよう」
「ペットの安楽死について、もう一度考えよう」
以前、アメリカでの犬の死因・第一位が“安楽死”であるというお話を、ワンちゃんの問題行動のコラムでご紹介しました。
つい先日、その話を思い出す世界のニュースがありましたので、今回はご紹介したいと思います。
人の安楽死についてですが、ニュージーランドで安楽死の合法化をするかどうかの国民投票が、10月17日に行われたそうです。
その結果、賛成派が65.2%、反対派が33.8%と、賛成と考える国民の数が反対意見を大きく上回りました。
ニュージーランドではこの結果を受けて、来年の11月に人の安楽死が合法化されるとのことです。
他にも、オランダやスイス、ベルギー、アメリカの一部の州ではすでに安楽死が合法化されています。
しかし、日本では人の患者への安楽死はまだまだご法度と言え、法律上も原則行なうことを認めてはいません。
ではペットはいかがでしょうか?
自分は職業柄、人で安楽死を考慮される患者さんと、安楽死を検討されているペットの姿を重ね合わせて考えることがあります。
それは多くの場合に、患者さん本人が安楽死の選択をすることができないからです。
特に人の言葉が話せない犬猫の場合は、具合が悪くない時であっても、動物病院に行くのか?治療を受けるのか?などを自分の意思で選ぶことができません。
だからこそ、ペットの安楽死については、飼い主さんと診察した獣医師が患者であるペットの今の気持ちや苦しみを想像した上で、十分に時間をかけて検討する必要があると言えます。