2021年03月17日蛍の光は地域によって時間差がある
蛍の光は地域によって時間差がある古き良き夏の風物詩である、蛍の光。蛍はお尻の部分に発光器官と呼ばれる器官を持っていて、ゆっくりと点滅を繰り返します。その点滅の時間は、日本の中でも地域によって違いがあるとされています。たとえば、ゲンジボタルという種類は、東日本では4秒に1回の感覚で点滅を行うのですが、西日本にいくと、点滅は2秒に1回と、とても速くなります。ちなみに、ちょうど中間にある中部地方では、3秒に1回点滅するのだそうです。はっきりした調査や原因の究明はされていませんが、それぞれの地域の気温や、時間帯によっても点滅の速度は変化するそうです。寒い地域はゆっくりと、温かい地域は早くなる、といった性質があるのかもしれません。西と東では、同じ蛍でも遺伝子の形が異なる、という説もあります。また、日本は地中にできた「フォッサマグナ」という大きな溝によって半分に分断されていて、それによって植物の育ち方や動物の生態が異なるなど、東西で違いが見られるのが多くあります。蛍の点滅時間も、フォッサマグナ によって作られた境界によって変化が生じたのではないかとも考えられています。近年では、地域差を比較することも難しいくらい蛍の数が減ってきています。こういった特殊な生態を守っていくためにも、蛍の生息域を全国規模で守っていなかければなりませんね。