2021年05月06日「この言葉知ってますか?“三臓器炎”」
「この言葉知ってますか?“三臓器炎”」
猫ちゃんに特有の病態ですが、三臓器炎(さんぞうきえん)と呼ばれる現象が起こることがあります。
その名の通り、3つの臓器に炎症が起こります。
3つの臓器とは、
・膵臓
・腸管(特に十二指腸)
・肝臓(胆管)です。
それぞれに炎症が起きた場合、膵炎・炎症性腸疾患・胆管炎と呼ばれます。
なぜ、これら3つの臓器に同時に炎症が起きるのか、これから説明したいと思います。
猫ちゃんでは、膵臓で作られた膵液を流す膵管と、肝臓内で作られた胆汁を流す胆管という2本の管が、合流した後に十二指腸につながっています。
これはワンちゃんには無い特徴です。
したがって、膵臓・十二指腸・肝臓のどこかに問題が生じて炎症となると、他の臓器にも影響を及ぼしやすいと考えられています。
例えば、
・吐き気や食欲不振から膵炎と診断されて治療を受けていたけど、なかなか良くならないと思ったら胆管炎が疑わしいと説明された
・炎症性腸疾患の治療を続けていたが、急に吐くようになり膵炎が見つかった など
このように他の病気に続くように見つかることが多いのが三臓器炎の特徴です。
特に高齢の猫ちゃんでは、膵炎や胆管炎を発症しやすいと考えられます。
1つの病気であれば比較的治りが早くても、2つ3つと病気が併発すると治るまで時間を要することが多いため、注意して担当の獣医さんのお話を聞きましょう。