2021年08月26日サンマが水族館にいない理由
サンマが水族館にいない理由水族館で飼育、展示されているお魚や海洋生物の中には、漁師さんの網にかかった珍しいものを買い取っているものもあります。時には、食卓に並ぶような、アジやイワシなどどいったお魚も買い取って展示することもあります。大きな水槽の中で群れを成して泳ぐ魚たちの姿を見られるのは圧巻ですよね。しかし、そんな魚たちの中でも、水族館で見ることのできないものも存在します。それが、サンマです。水族館でサンマが泳いでいる姿を見たことがある人は、ほとんどいないのではないでしょうか。サンマはとてもデリケートな魚です。傷付きやすく、漁師さんの網にかかった時点で鱗が剥がれたり、死んでしまうことも多いので、生きたまま綺麗な状態で捕獲して水族館まで搬送することが非常に難しいのです。性格も神経質で臆病なため、ちょっとした衝撃でパニックを起こし、ガラスにぶつかって死んでしまうこともあります。温度や水質の変化にも弱く、野生化でも寿命は2年と短い、まさに飼育員泣かせの魚と言えます。そのため、多くの水族館にとってはサンマの飼育は至難の業となっているのです。サンマの漁場に近い水族館であれば、海からそのまま生きたサンマを引き込んで、自然に近い状態で展示をすることは可能です。福島県など、一部のサンマが回遊してくる地域の水族館では、そういった設備を整えてサンマが泳ぐ様子を見ることができるそうです。たいへんレアなサンマの泳ぐ姿。機会があれば、ぜひ自分の目で見てみたいものですね。